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鼻炎
鼻炎は、「急性鼻炎」「慢性鼻炎」「アレルギー性鼻炎」の3つに分けられます。
原因と症状
急性鼻炎
いわゆる「鼻風邪」と言われるもので、ウイルス感染が原因となって鼻粘膜が炎症を起こした状態です。サラサラからドロっとしたもの、緑っぽい色へと性質が変わる鼻水、鼻づまり、くしゃみなどの症状が現れます。
慢性鼻炎
鼻粘膜が慢性的に炎症している状態で、鼻水や鼻づまりのほか、においがわからなかったり、咳や痰が続いたりします。原因は様々で、はっきりとわかっていないものもあります。
慢性鼻炎には、以下の病気が含まれます。
- 加齢性鼻炎
- 妊娠性鼻炎
- 血管運動性鼻炎
- 薬剤性鼻炎
- 乾燥性鼻炎
- 肥厚性鼻炎
- 萎縮性鼻炎
アレルギー性鼻炎
アレルギーの元となる物質(抗原)が鼻から入ることで、体が異物を排出しようとしてアレルギー反応が起こります。サラサラした透明の鼻水、頻発するくしゃみ、鼻づまりなどの症状が見られます。目のかゆみや喉の痛みが出ることもあります。
特定の季節だけ症状が出る「季節性」と、1年中症状がある「通年性」に分けられます。
季節性アレルギー性鼻炎(花粉症)
代表的なものが花粉症です。スギやヒノキのほか、イネ科の雑草、ブタクサ、ヨモギなど、日本国内で約60種類の原因となる植物が確認されています。
通年性アレルギー性鼻炎
ダニ、虫の死骸やフン、ペットの毛、真菌(カビ)など、目には見えにくい小さなものが原因になります。通年性アレルギー性鼻炎の方は、気管支喘息やアトピー性皮膚炎を発症しやすい傾向にあります。
治療
急性鼻炎
治療は点鼻薬や内服などが中心です。青緑の鼻水が続くなど、細菌感染を起こしている場合は、抗生剤を処方します。
通常は2週間以内で改善しますが、症状が続く時は副鼻腔炎になっている可能性があります。また、保育園などで集団生活を送る子供は、急性鼻炎を繰り返しているうちに慢性鼻炎や急性中耳炎になっている場合もあるため、注意が必要です。
慢性鼻炎
点鼻薬の使いすぎ(薬剤性鼻炎)なら使用を中止する、乾燥の場合(乾燥性鼻炎)はマスクの着用や加湿器を使用するなど、原因に合わせた治療方法を考えます。妊娠性鼻炎の場合は、出産を終えると症状が落ち着きます。
ただ難治性のものも多く、症状がひどい場合や、ほかの病気を合併している場合は、手術が必要になることもあります。
アレルギー性鼻炎・花粉症
くしゃみや鼻水を抑える薬物療法を中心に行います。また、原因となる物質(アレルゲン)の特定には、血液検査が有効です。原因がわかれば、室内の小まめな掃除や外出の際にマスクの着用を徹底するなど、なるべくアレルゲンに近づかないようにすることも大切です。
副鼻腔炎
鼻の周囲にある4つの空洞(上顎洞、篩骨洞、前頭洞、蝶形骨洞)が副鼻腔です。副鼻腔炎は、細菌やウイルス感染によって炎症を起こしている状態で、蓄膿症とも呼ばれます。
ここでは、以下の3つについて解説します。
原因と症状
急性副鼻腔炎
風邪を引いた後の細菌感染が原因になることが多いです。最初は風邪と似た症状が見られますが、粘り気のある黄色い鼻水や悪臭、鼻水がのどに落ちる(後鼻漏)、頬や頭の痛みなどを感じる方もいます。
慢性副鼻腔炎
急性副鼻腔炎を繰り返し、3ヶ月以上続いている状態です。症状が長引くことで、中耳炎の原因となったり、鼻茸ができたりする場合もあります。
好酸球性副鼻腔炎
慢性副鼻腔炎の中でも特に難治性の病気ですが、はっきりとした原因はわかっていません。鼻茸が多発することや、早い段階から嗅覚障害を伴うことが特徴です。
また、気管支喘息やアスピリン不耐症の人によく起こると言われています。ほとんどの場合、成人で発症し、15歳以下では見られません。
治療
急性副鼻腔炎
抗生剤の内服やネブライザー治療などを行います。
通常は数週間~1ヶ月ほどで改善しますが、治療を中断したり症状を放置したりすると、慢性副鼻腔炎に移行する可能性もあります。
慢性副鼻腔炎
内服やネブライザー治療のほか、鼻洗浄で副鼻腔に溜まった鼻水を取り除きます。鼻茸ができている場合や症状の改善が見られない時は、手術が行われることもあります。
慢性副鼻腔炎では、視力や意識障害を生じるケースや後遺症が残る場合もあります。治療は長期になることも多いですが、根気強く治療していきましょう。
好酸球性副鼻腔炎
鼻茸ができている場合は、手術で取り除きます。一旦、症状は軽快しますが、再発しやすいので注意しましょう。
ステロイドが有効だと言われているので、内服と手術を併用しながら症状をコントロールしていきます。